◇−転落−◇
ビューネットに「交通アクセス行動」の紹介があった。JRなどの交通機関に
視覚障害者のための安全対策を求めていくための行動だという。
私も過去3回、駅のホームから線路上に転落したことがある。最初は1980
年代、西武池袋線所沢駅の下りホームで、2度目と3度目は97年と98年、い
ずれも東急渋谷駅のホームから落ちた。いずれのときも自力で這い上がって大事
にはならなかった。東急渋谷駅は、ホームが鉄板のプレートで、下が空洞のため
足がかりがなく、腕力だけで這い上がらなければならない。もしそこに電車が進
入してきていたら、今の私はなかった。
私がかつて学んだ東京視力障害センターの1年生のとき、確か1学期も終わる
頃だったと思う。私と同じ年齢の隣のクラスの彼が秋葉原駅でホームに進入して
きた電車に巻き込まれて亡くなった。
さらに、80年代に入ってから、私の2級先輩の男性が、中央線国分寺駅でホ
ームに転落し、片脚を失った。在学中、よく一緒に飲み歩いた人で、大学時代、
空手部に籍を置いていたという空手4段の猛者だった。神は不公平なものだ。
駅のホームから落ちるのは、何も目の不自由な者ばかりではない。むしろ見え
る人のほうが圧倒的に多い。悲劇は新大久保駅で起こったものだけではない。報
道されないだけだ。横浜線でも、よく「人身事故のため遅れています」というア
ナウンスがある。どういうわけか、中央線は特化して多い。これは転落だけでな
く、飛び込みもあるようだが、いずれにしても、目の不自由な者のためだけでな
く、不特定多数の利用者のために、早急に安全策を設置するなど、対策を講じて
ほしいものだ。
この項終わりです。
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