ABS21講演会報告
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HP委員会講演会担当部会: 笠尾・板山・鈴木・藤本・三竹
(1)第一回 講演会実施要項
開催日時:平成13年7月6日(金) am10:00〜11:30
講師:中畝 治子氏
開催場所:青菜区役所別館2F大会議室
主催:青葉バリアフリーサポート21(ABS21)/マザーズ・ジャケット/青葉区社協
託児 協力:リーチ・ハンズ・ママ(RH-ママ)

保育:子ども12名受け入れ@500円  託児ボランティア5名 
参加者総数:102名(受講者:68名 + スタッフ:22名 + 預かった子ども12名)

・ビデオ上映(約5分):予め、中畝さん宅に出向き、お子さんの介護、生活の様子などをビデオ撮影し、
 パソコンで編集したものを講演会冒頭で流した。
ウェブページでの公開サイト(制作ABS21):
http://homepage.mac.com/ta2ya_fujimoto/iMovieTheater.html
(中畝さんの了解により、転載可)
・ 講演終了後、講師を囲んで、お弁当を食べながら、談話
・ 販売:書籍・絵葉書
・ 借用機材:プロジェクター・スクリーン、講演台、マイク(2)・スピーカー、ラジカセ、椅子

(2)「子育てってツマラナイ?」講演要旨  講師:中畝 治子


司会者より、ご主人との出会い、祥太君の誕生までの紹介。

初めに祥太君の日頃の様子と家族を撮影したビデオを観る。
そして──祥太は何もしないし出来ないけれど、その存在感はすごいと思う。でも、今の世の中の流れに合わせて生活していると祥太の存在が希薄になってくる──と始まったお話は、女性の生き方、夫婦の役割分担、早期教育、政治参加など、広い視野を持って子育てにかかわっていくことの必要性を痛感させる内容だった。


祥太が生まれたときは、障害=不幸と思っていた。母が頑張れというメッセージを受け、社会の価値観も自分の中に深く浸透していて、それまで、対等にやっていた夫との生活も崩れた。最初、祥太の為にやれることは何でもやってやろうと頑張った。でもこれは早期教育の価値観と一緒で、幸せの先送りみたいなもの。将来約束されているはずの幸せの為に今、頑張るより、今の幸せを大切にしないといけないのでは。自分の子だけは幸せにという考えが早期教育を駆り立てるものだが、自分の子ひとりだけでは生きてはいけない。つまり、自分の子だけ幸せでいられるということはありえないと思った。


祥太の障害を認められるようになるのに3年、落ち着くのに10年、そして祥太君がいてくれて本当に良かったと心から思えるようになったのは、ここ数年のこと。母がその子をうけ入れられるように母親に対するサポートが必要だ。


オリンピックごとに生まれた弟妹児、友雄と千明の子育てから学んだことは、人に助けてもらうことの大切さ、そして、子供をゆったりした時間のなかで自由に遊ばせることの大切さ。保母さん、おばあちゃん、友人、祥太のヘルパーさんなどいろんな人に育ててもらったことで、大人への信頼感が得られたと思う。子供は生きていく力を持っている。その年代年代で必要な、「子供が自分を知る時間」「何が心地よいかを感じる時間」を奪ってはいけない。早期教育はそれを奪ってしまう。


三人目の妊娠では、高齢出産であることから羊水検査をするかと聞かれたが、即答できず、夫に相談。夫は「大丈夫だよ、また、助けてもらえばいいよ」と。「人に迷惑をかけない子供」に育てたいとよく言われるが、本当にそれは大切なことだろうか。迷惑を掛け合うことでゆるやかなつながりができるのではないか。
<ここで、友雄君と千明ちゃんの保育園時代の連絡帳の内容を披露してくれた。悪戦苦闘ぶりの中にも、ささやかな喜び、幸せのある生活がうかがわれた。数々のエピソードに爆笑しながらも気持ちにゆとりのある生活ってこんなものなのだろうと、こちらも幸せな気分になれた。>


「祥太と共にいることの幸せ」は私にとっての真実。幸せの形は一人一人ちがう。今の世の中を見ていると、戦争、原発、環境破壊など、一人一人の幸せを踏みにじるものばかり。政治が一色になるというのも、一人一人の多様な幸せを否定することではないか。強力な指導力に頼るのではなく、それぞれの心の言葉に正直になろう。


みんなが「私」の幸せを大切に出来るひとになろう。
私が幸せでないと子供は幸せになれないのだから。

以上



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