タウンニュース青葉区版

タウンニュース青葉区版2001.4.19()号より(タウンニュース社の了解済み)

青葉バリアフリーサポート21
ネット活用で目指すバリアフリー  ―コミュニケーションできる喜び―

 インターネットを活用して、バリアフリーを実現しようとしている市民グループがある。「青葉バリアフリーサポート21(以下
ABS21)」だ。障害者の社会参加を目的としたこの団体では、パソコンをコミュニケーションの重要な手段ととらえ、ホームページやメーリングリストを運営している。そこでは視覚や肢体に障害のある人もない人も、生き生きとした会話を交わしている。

[昨年9月にホームページ開設]
 ABS21が青葉区社会福祉協議会の委託を受けてホームページ「あおばバリアフリーサロン(http://www.ran.sakura.ne.jp/~abs21/)」を開設したのは昨年9月のこと。障害者やその家族による情報交換の場、安全で暮らしやすい街づくりに繋げるバリアフリーマップなど内容は多岐にわたる。中でも象徴的なのがメーリングリストの存在だ。ここでは、登録している人たちの障害の有無に関わらず、皆が自由な意見交換を楽しんでいる。「家に居ながらコミュニケーションを図れるインターネットは、外出困難な障害ある方たちにとって自立と社会参加を実現できる重要な手段です」と語るのは、ABS21の代表を務める三竹眞知子さん。
 ABS21では、定期的にインターネットサロンなどを行うなど障害者のパソコンの環境整備を積極的に支援、土壌づくりに余念がない。

<水谷さんと佐藤さんの写真>:障害ある人が教える側に立つことも(インターネットサロンにて)

[ずっと1人で寂しかった]
 サロンを訪れる障害者たちの多くは、ABS21を通して自分の世界が広がったことを実感している。
 視覚に障害をもつYさんが青葉区へ越してきたのは二年前のこと。気楽に街を歩くこともできず、友達もいない見知らぬ土地。そんなときに参加したのがABS21のインターネットサロンだった。Yさんは最初のうちパソコンをビジネスに活用するつもりでいたが、やがてメーリングリストの面白さに気づく。
 こんなことがあった。
 自宅で料理をしたときに鍋を焦がしてしまい、家族に怒られた出来事を投稿したYさんに様々な声が寄せられた。健常者から多かったのは「気にしないで」という慰めの言葉。鍋を焦がさなくて済む具体的な方法を教えてくれた、視覚障害の人もいた。
「誰かが反応して声を寄せてくれる。そのこと自体がとても嬉しかった」と、Yさんは振り返る。
 ABS21発起人の一人、木庭袋(きばくら)純さんもかつては自宅と病院を行き来するくらいの毎日だった。情報といえばテレビで得る断片的なものばかり。そんなとき、社協主催の自立セミナーで三竹さんと出会ったことをきっかけに「インターネットを活用すれば、外出困難でもコミュニケーションをとれるんじゃないか」と思い立った。昔から好きだったパソコンを生かしてホームページの企画にも参加、活動を通して多くの人と知り合うことができた。
「今までずっと一人で寂しかったけど、(今は)本当に毎日が楽しい」
木庭袋さんは笑顔で語った。

[市に先駆け障害福祉の案内をウェブ化]
 このほどホームページの内容も更新。中でも横浜市に先駆けて実施した「障害福祉の案内2000(横浜市福祉局発行)」のウェブ化は、目玉とでも言うべき充実ぶりだ。
 現在、ABS21のHPプロジェクト推進委員会では、バリアフリー情報の収集・編集に携わるボランティアを募集中。
 申込み・問い合わせはABS21事務局(abs21-hq@egroups.co.jp)まで

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